最後の数十分ですべて覆されるヒューマンサスペンス【パラサイト 半地下の家族】

貧困格差。これは資本国家ならどの国でも問題として取り上げられますが、それを現実的に表現したある意味、恐ろしい映画です。メインに登場するのは貧困の家族とお金持ちの家族。対照的な家庭ですが、映画のタイトルにもある通りパラサイト。お金持ちの家族にどんどん寄生していくお話です。前半はほぼコメディ要素で溢れているのですが、最後にどんでん返しの展開をご覧いただくことができます。前半は気楽に見れますが、最後はビクビクして脳波ビンビンで見ていました。やはり、映画にはスリルも重要な要素になりえますね。

では、そろそろあらすじ紹介の方に移らさせていただきます。

 

インターネット環境さえも他人のを使うほど、貧しい4人一家(父ギテク、母チュンスク、息子ギウ、娘ギジョン)は低賃金の内職で家計をやりくりしていた。ある日、ギウの友人がとある女子高生の家庭教師をやらないか、と誘いを受ける。

浪人中であるため、最初はためらったギウだったが友人の説得により、結局受けることに。そこで、大学生と偽るために、妹であるギジョンに書類を偽装してもらうことになり、そして面接へ行く。初日の面接には、担当する女子高生の母親が「試しにみせてほしい」と家庭教師としての腕を見せることに。そして、なんと合格した。

さらには、その後も母親が「息子の美術の先生も探している」とのことで、ギウは「なかなか予約の取れない美術の先生がいる」と言って、妹ギジョンを偽の美術家庭教師として、送り込む。

その後も貧乏家族のパラサイト計画がどんどん進行していき...

最後にはだれも予想していない、最悪の展開に発展してしまう。

ちなみに、登場人物のうちの誰かが殺されます。

人はどこで追い込まれるのかわからないものです。格差によってできてしまった壁は壊れることはなかった。現実も理解しあうのは難しいことでしょう。

昔にやっていたドラマの【銭ゲバ】や、最近の映画の【バッド・ジーニアス 危険な天才たち】などの貧乏な主人公が報われずに犯罪を犯してでも、お金を手に入れるという、人間が理性を失った様をしっかり描いてて、最後は怖さもありますが、少し感情移入してしまう部分もあったかなと思ってしまいました。


第72回カンヌ国際映画祭で最高賞!『パラサイト 半地下の家族』予告編